11月17日(月) JS氏から回答をいただいたので、こちらの意見も述べさせていただきます(ただ、4点の条件それぞれに回答をいただきたかったのではなく、条件の踏まえたうえで、適任者を1人、提示していただきたかったのですが…。まあ、その辺は設問がうまく伝わらなかったということで)。
「ベルト奪回」の条件は、あくまで新日本プロレス内から挑戦者を選出するということ。「奪回後の展開」は新日本内でタイトル戦線を回していくということ。「1・4東京ドームのメイン」はタイムリミットは約1カ月。そのなかで適任者はいるのか?
「武藤に見合う挑戦者」だが、同格となると「いない」との答えが導き出される。だからといって「東京ドームでの挑戦者なし」というわけにはいかない。いないならいないなりに挑戦するにふさわしい選手をはじき出さないといけない。決して恵まれた条件ではないが、そのなかで菅林社長がはじき出した答えが「棚橋」。問題は棚橋がそれに乗り気でないことだが…。
さて、公開質問の本質は「前頭が横綱に挑戦してはいけないのか?」。
個人的には「あってもいい」との考え。大相撲でも、前頭が横綱との取り組みを組まれることはあるし、だからこそ番狂わせ「金星」が起こるし、それもまた相撲の醍醐味。横綱vs前頭の取り組みがなければ、その面白さを排除することになる。
棚橋がTNAで「前頭」的扱いだったことに関してだが、いくらモンゴル相撲の横綱であっても、大相撲でいきなり三役として扱われることはありえない。あくまで一から。せいぜい幕下付出でスタートが妥当なところだろう。今回の棚橋はTNAからオファーがあって参戦したもの。新日本所属ではあるが、TNAの一員としての扱い。当然、扱いは最も下。それはマッチメイクに表れている。ただ、TVマッチでわずか5戦ながら、徐々に重要なポジションを与えられていったのは事実。そのあたりはどう受け止めるかの問題。新日ジュニアが大半の大会でメインを務めるわけではない。だからといって、彼らがあくまで「前座」なのかというと、そうではない。
元IWGP王者のなのだから、もっと上で使ってもいいのでは…という意見もあるだろうが、NWOの一員としてWCWマットに登場した武藤や蝶野にしても、最初は「前座」の扱いだった。現時点での棚橋もそれと同じ段階。AJやサモア・ジョーと並んでMEMと対戦さえればいいとの意見があるかもしれないが、それにはプロモーションする時間が必要。助っ人として登場しても、TNAファンにはピンとこない。アメリカンプロレスでは売出しにはじっくりと時間をかけるもの。
新日本プロレスが現在置かれている立場とテーマからすれば、棚橋、中邑、後藤世代のIWGP王者は決して役不足ではない。むしろ「成長していく王者」の方が適しているのではないか。
三沢光晴が初めて3冠ベルトを取ったあとも、何かとジャンボ鶴田と比較され荷が重かった。ケガも多く、「ガラスの王者」ともいわれていたが、防衛を重ねるにつれ、全日本のエースとしての風格を身につけていった。それと同様。逆に新三銃士がIWGP王者にならない限り、新日本の未来は開けない。過去に、棚橋、中邑が何度が王座に就いているが、その時点ではまだプレッシャーを跳ね返すだけの力が不足していた。当時に比べると上積みはあるのだから、ここは彼らにかけてみるのも一つの手だ。
さて、問題は棚橋が1・4東京ドームでの挑戦を承諾するかどうか。大舞台で、しかも責任のかかる大一番だけに、決断しかねている模様。TNAでの挑戦をあきらめたわけでなく、王座奪回を果たした場合、IWGP王者としてTNA遠征が可能かどうかを模索している部分もある。最悪の場合は年内最後のビッグショーである12・7大阪で中邑vs矢野、後藤vsバーナードがマッチメイクされたが、棚橋の回答いかんではそれが挑戦者査定試合となる可能性は高い。