前回のエントリー(消去済み)でJS氏から「名トラベルエージェントになれるであろう」とのお褒めの言葉をいただきました。
ありがたい……といいたいところですが、飛行機のスケジュールをくるだけがトラベルエージェントの仕事ではございません。ホテルの手配、移動の手段なども含めて、顧客が求める以上の快適な旅行をお届けしてこそ名トラベルエージェントなのです。
さて、快適で後々までに心に残る旅行をするのに最重要なことは、「思い切って切り捨てること」。つまり、十分に余裕のあるスケジュールを組むこと。
例えばロスへの旅行(現地滞在4泊と仮定。初日は到着で半日潰れ、最終日は出国だけになるので、実質現地で動けるのは2日半)で「サンタモニカにも行きたい」「ユニバーサルスタジオにも行きたい」「ディズニーランドにも行きたい」「ロデオドライブでショッピングがしたい」「ビバリーヒルズにも行きたい」「チャイニーズシアターにも寄りたい」「ドジャースタジアムでベースボールが見たい」と言われたら、「あなたは何をしにロスへ行くんですか?」と返すでしょうね。上記のポイントを回るだけで精一杯。しかも公共の交通機関を使うとなればすべて回れたならラッキーと思った方がいいぐらい。帰国後に残るロスの思い出は「車に乗っていたこと」だけになるんじゃないでしょうか。
「足を運んだ」という記録を残すためだけならそれでもいいでしょうが、本当にその場所の魅力を感じるには、ゆっくりと自分の足で確かめることが必要。「あれもほしい」「これもほしい」というバフェ的な考えは旅行には向いてません。
しかも、なれない土地では計画通りにことが運ぶとは考えにくい。どんなアクシデント、ハプニングが待ち受けているかわかりません。それに対応するためにも、十分な余裕が必要なのです。贅肉をそぎ落とすことはこういうところでも必要なのです。何らかのトラブルが生じて以降の計画が崩れ、クレームばっかりつけているとイヤな気分で旅を続けないといけなくなるだけ。クレームを付けている男を「カッコイイ」「頼もしい」と見る者はあまりいないでしょう。大声でわめき散らす姿はむしろみっともない。新婚の甘いムードも吹っ飛びます。
これから旅行を計画されている方、現地では余裕を持ったスケジュールで。時間が空いたら、もう1カ所回ろうかというぐらいの気持ちで。
それにしてもあんな無茶な移動スケジュールをリクエストしてくる方はほかにいないでしょう。まさに「60億分の1」ですな。前述のスケジュールにしても、各土地の雰囲気を胸一杯吸い込む時間もない。むしろ、「メシ食って終わり」といったスケジュール。まあ、それがお望みならいいですけど。というわけで……。
「バフェトラベラー、出て来いやーーーーーーーッ!」
♪ダン・ダン・ダダン! ダン・ダン・ダダン!
タッタラタッタラタッタラタッタラ〜
※行く末は身売り?